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●「改正労働基準法」施行目前、時短への取組みは? 
◆4月から施行
 改正労働基準法の施行を来月に控えていますが、法改正に対応する積極的な動きは、大手企業においてもあまり目立っていないようです。業績不振に苦しむ企業にとっては、長時間労働の解消(時短)に取り組む余裕がないのが現状です。
 今回の改正の中心は、(1)労使協定を締結すれば従業員が1時間単位で有給休暇を取得できる、(2)月60時間以上の時間外労働に対する割増賃金率を現行の25%から50%に引き上げる、という2点です(中小企業については当分の間、法定割増賃金率の引上げについては猶予されます)。

◆「時間単位有休」「割増賃金率の引上げ」と時短
 現在、年次有給休暇は原則として1日単位でしか取得することができませんが、改正後は、労使協定があれば1時間単位で年間最大5日分を取得することが可能となります(これについては、中小企業にも適用されます)。
 しかし、「生産現場の要員配置やライン稼働に大きな影響が出る」といった理由から、1時間単位の有給休暇制度の導入を見送る企業も少なくないようです。
 この制度の導入には労使間の協議が必要ですが、労働者側からの導入の要求自体が出ないケースもあります。
 その一方で、時間外労働の割増賃金率の引上げへの対応については、労務コスト削減のために時短を進めることが考えられますが、準備を進めている大手企業はあまり多くはないという調査結果もあるようです。
 時短は一般に進んでいるとは言い難く、厚生労働省の調査によると、日本企業の時短は過去10年でほとんど改善していません。1999年と比べ2008年の労働時間は大手・中小企業とも増加しており、有給休暇取得率も下がっていますが、サービス関連企業では法改正を契機に積極的に時短に取り組む傾向がみられます。

◆導入される見通しの国際会計基準
 2015年までに上場企業に義務付けられるとみられる国際会計基準(IFRS)では、企業は未消化の有給休暇に相当する費用を引当金として負債に計上しなければならない見通しとなっています。負債の増加を嫌う企業は多く、この制度導入が従業員に有給休暇の取得を促す可能性があります。
 有給休暇関連の引当金の負債計上に伴い、引当金に対応する費用の計上も必要になります。一般的な事務職員の場合は、損益計算書の中で人件費として計上される見通しとなっています。
 ただ、製造業に従事する労働者や技術者などの場合、この費用は、実際に製品として売買の対象になるまでは棚卸資産として一時的に計上され、製品として売りに出された場合、一般的に製造原価として損益計算書に反映することになりそうです。

( H22.3.23更新 )

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